妻恋う鹿は笛に寄る

初夏の作品

世界は一つという大きな嘘

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窓辺に寝転がって、ガラス玉に光を翳してみる。世界は一つという大きな嘘を信じたいがために、武器を捨てることにした私は、世界の片隅で詩を詠んでいる。


詩人は職業ではなくて、生き方であると言いたげに、できそこないの詩らしきものを詠んでは、紙飛行機にして飛ばしている。


そのうちにロボットの詠んだ詩が世間を賑わすのだろう。薄汚れていて、悲しくて、淋しくて、そのうちに命尽きて、影かたちもなくなって、詠んだ詩も姿を消してしまう


花のよう・・・
季節が巡るように、くりかえすもの、くりかえすもの

命を削るように、失うもの、失うもの
それでいいと思っている