妻恋う鹿は笛に寄る

初夏の作品

2023-01-28から1日間の記事一覧

誰のものでもない世界を僕らは生きている

荒い呼吸のまま転がっている焼けついた魂の慟哭 干からびた大地から水を吸い上げようともがく植物の祈りにも似た力 満たされない世界を僕らは生きている欠けているものを補い合う為に 孤独を背負ったまま歩いている錆びついた魂の血の味 群れることを捨てた…

想いが届く日

朝の光を浴びて今日一日が始まる 難しく考えることはない私にはきっとできるはず 困難なことも痛みもいつか退散する 種を蒔いていこう来たるべき日の為に 雨の日も晴れの日も恵みの一日になる 今日の想いが届く日がいつかやってくる

素敵なこと

言葉で伝えきれない 想いがあるなんて なんて素敵なことでしょう

世界は一つという大きな嘘

窓辺に寝転がって、ガラス玉に光を翳してみる。世界は一つという大きな嘘を信じたいがために、武器を捨てることにした私は、世界の片隅で詩を詠んでいる。 詩人は職業ではなくて、生き方であると言いたげに、できそこないの詩らしきものを詠んでは、紙飛行機…

プロローグ

渡り鳥が迷わず戻ってくるように 季節になると必ず花が咲くように それは自然なことだった