妻恋う鹿は笛に寄る

初夏の作品

2023-02-10から1日間の記事一覧

世の中には格好良い奴もいる頭の良い奴もいるお金持ちの奴もいる要領よくやれる奴もいる運の良い奴もいる僕は・・・・と考える時いつもうつむいてしまうけれど僕の持っているもので精一杯やれるのはこの世で僕自身だけだと思っている誰も代わりはできないし…

群青色の闇があなたの底に向かって流れていく金糸雀色に光る三日月も一緒に落ちていく瑠璃色の地球が滅亡するかのごとくひゅごーひゅごーと音を立てて表面では渦を巻いている珊瑚朱色の唇を奪うと平手打ちされたが流れは止まった懲りずにもう一度奪うと静か…

お姫様と吟遊詩人

あるところに美しいお姫様がいました。人づきあいが苦手で、王様が近隣の名だたる名士を招いて舞踏会を開いても、なかなか出席しようとはせず、お姫様にひと目会いたい若い名士たちを、いつもがっかりさせていました。 森の入り口の林の荒屋に吟遊詩人が住ん…

子どものお遊びみたいに無邪気

そうやってあなたのすべてを諦めている感じが好きなののんびりと構えて、自堕落で、遊んでて・・・でもね、本当のところ諦めているように見えて、ちっとも諦めてないあなたのそういうところ、長い間付き合ってみないと分からないから人から誤解されがちだと…

雑貨&洋服のお店の店員を十年近くしているが、一人気になる男性客がいた。こういうとなんだが鬼のような怖い顔をしているが、いつも女性物の服を買って帰る。それもとびっきり上品で可愛いものを選ぶ。季節が変わる頃に、いつも一人でやってきて、店に入荷…

気持ち通じ合う

生きていて一番うれしいことは、気持ち通じ合う人と出会うことではないだろうか?それは同性かもしれない。異性かもしれない。同世代かもしれない。年の離れた人かもしれない。動物かもしれない。植物かもしれない。自然かもしれない。通い合う心と心で語り…

他の人に見えているものが見えなくなってしまった。変化に対応できずに戸惑ったままの孤立感。そういう状況はひどく寂しい。一つ分かっていることは、そういう時に身の回りの自然はとても優しいということだ。砂ぼこりを巻き上げるような強い風、花びらの上…

洞穴

人々が愉快に暮らせるような楽園型の人間にはなれないような気がする。面白いことを言える訳ではないし、人を楽しませたり、愉快な気持ちにさせられる人間ではない。どちらかというと、ひっそりとした洞穴型の人間かもしれない。果実もなく、明るい日差しが…